姉の美人百花読んできました 二年 白子 和哉

他者を救うために自らを犠牲にして数学の単位を守り抜いたカズヤ。そんなカズヤに石川さんから指令が届いた。

「自撮りを上達させるコツ」

 

カズヤは義父と二人の義兄と住んでいた。彼らは非常に性格が悪く、いつもカズヤをいじめていた。

ある日、カズヤたちの元に婚活パーティーのお誘いが届いた。義父は義母が亡くなってから寂しそうにしており、また義兄たちもそろそろ結婚を考えているようだった。

「お前は留守番だ」

義父義兄たちはカズヤをおいて婚活パーティーに行ってしまった。

カズヤは家で一人寂しく家事をしていた。カズヤは悔しくて仕方がなかった。カズヤは結婚を望んでいた。婚活パーティーに出席したかったが、義父たちの意地悪でカズヤはみすぼらしい格好しかできないのだ。パーティーに行ってもバカにされるだけだ。カズヤは諦めていた。その時、ある女性がカズヤを訪ねてきた。彼女の名前はユウリーナ。プロのカメラマンである。カズヤとは旧知の仲だ。彼は久しぶりの再会を心から楽しんだ。

「義父たちはどこへ?」

「婚活パーティーさ。彼らは僕をおいて行ってしまったよ。」

「驚いた。義父はご乱心か」

「いや僕が気に食わないのさ。義父と再婚した僕の母は生前、よく義父と喧嘩をしていた。義父は自分が気に食わないのだろう。義兄たちも同じさ。彼らがさっさと結婚してくれれば、僕は楽になるからね。それまでの辛抱だよ。」

「でもそれではカズヤがかわいそうだわ。・・・そうだ、カズヤは婚活アプリを使いましょう。」

カズヤは困惑した。カズヤは自分の顔に自信がないのだ。婚活アプリに生きる猛者たちと自分の写真で戦い、そして選ばれる自信がないのだ。カズヤはその申し出を断った。

「写真は写り方でなんとかできるわ。」

「だが僕にはそのノウハウがない。服だってこんなにみすぼらしい。」

「私はプロのカメラマンよ。私に任せて。」

カズヤは最初こそやる気が起きなかったが、義父を見返すためだと思い、すぐに奮起した。カズヤは自撮りのやり方を教わることになった。

「まずはしっかり髪をセットするところからよ!クールに決めてね。次は角度よ!斜め上から取るようにして、目を大きく見せるのがポイントよ。この時に顎が上がらないように気をつけて!目が小さく写っちゃうわ。照明も斜め上から当たるようにして撮ってね。自撮りには光の加減が大事なのよ。背景はシンプルで白を基調にした場所を選ぶといいわ。爽やかな感じを演出できるのよ。レンズは見ないで視線を外すのがポイント!まっすぐ見ると不自然に写っちゃうわ。あとは練習が大事!何枚もとって自分の角度を見つけてね!」

カズヤは一瞬たじろいだ。あまりに量が多いからだ。しかし彼は底知れぬ熱量と一点の曇りもない素直さでみるみるうちに自撮りが上達して行った。

カズヤは練習した。来る日も来る日も自分を撮り続けた。さらに彼は自分の写真をSNSに公開するようになった。自分の顔に自信のない彼はもういないのだ。

そして数ヶ月が経った。ある有名な女優があるSNSの人を探しているというのだ。何人もの男がその女優に自らの写真を送った。義父たちも懸命に加工をした写真を送った。しかしなかなかその女優のいう人は現れなかった。

その騒動が収束し始めた後、カズヤは自らの写真を送った。そしてその女優からメッセージが届いた。

「今度お会いしませんか?」

彼は喜んだ。その時から彼をバカにしていた義父たちは、彼に対して頭が上がらなくなった。カズヤは今までの彼らの罪を許し、向かい入れた。カズヤの家に再び平和が訪れたのだ。

 

後日彼は振られた。当然である。なぜなら盛っているだけなのだから。

 

 

…ということで、自撮りのポイントを説明すると、

① まずは身だしなみをチェック

② 角度は斜め上45度から

③ 顎を上げないように

➃ 背景はシンプルに、白を基調として。

➄ レンズはまっすぐ見ないで!あえて外すように。

➅ あとは練習あるのみ!

 

多いですね…。でも!自撮りを使う機会は意外と多いもの!友達といるとき、デートの時、婚活の時などなど。自分を魅力的に見せていきましょう!

 

以上、美人百花ならぬ奇人百花でした。

 

次はそうですね…今回のテーマが自撮りだったので女性の方にお願いしようかと思います!前回取り上げていただいたトロンボーン会の参加者の増田さんにお願いしたいと思います。

 

余談ですが、前回に引き続き小説形式にしたことで分量が多くなってしまいました。🙇‍♂️ということで

テーマは「好きな本について」にしようかと思います。

次回、カズヤの身に何かが起こる!!