白子和哉

硬式野球部 三商大戦

8月23日、ほっともっとフィールド神戸にて硬式野球部の三商大戦が行われました。この三商大戦は新型コロナウイルス蔓延の影響により2年間応援ができなかった試合で、今年は3年ぶりに応援が可能となりました。また三商の一角である大阪市立大学が大阪府立大学と合併して大阪公立大学となって初めて行われた硬式野球部の三商大戦という点で、應援部・硬式野球部の両団体にとって非常に意義深い試合でした。

この硬式野球部三商大戦では、例年各大学の応援部・応援団も応援に駆けつけてこの試合を盛り上げています。しかし今年は非常に残念なことに、大阪公立大学応援団が参加できないことになってしまいました。3大学が揃うことは叶いませんでしたが、その悔しさも力に変えて、応援をしてまいりました。

 

対大阪公立大学戦

一橋大学が表、大阪公立大学が裏で試合は行われました。この試合の開始前に当部は校歌・エールと校旗の掲揚並びに旗手礼を行いました。特に校旗の掲揚や旗手礼に関しては硬式野球部で行う回数も少なかったこともあり、選手からしたら新鮮な景色に映ったかと思います。一方で、大阪公立大学応援団不在の中、我々のみで行うエールに少し寂しさを覚えたことも間違いありません。

1回裏、ピッチャーの藤本は好投を連続するも、大阪公立大学に連続でヒットを重ねられ、一気に6点を取られてしまいました。私が1年生の時、一橋大学は2試合とも非常に苦しい戦いをしていたことを少し思い出してしまいました。しかし、同期の硬式野球部部員がこれまで行ってきた練習や思いを4年間近くで見てきたことも同時に思い出して、すぐに気持ちを切り替えて懸命に頑張る選手を応援しました。

1回2回3回と攻撃面においては非常に苦しい時間が続きました。エラーなどで塁に出ることはあれど、大阪公立大学のピッチャーの好投が続き、一橋大学の打者がヒットを打つことはほとんどありませんでした。しかしそれでもファールなどで粘り、相手投手に食らいついていました。

3回裏にピッチャーが本吉に変わり、三者凡退に抑えることができました。大阪公立大学の攻勢が続いていた状況で、ヒットを打たせなかった本吉の好投は試合の流れを引き戻す素晴らしいものでした。続く4回表では点をとることはできないまでも非常に良い雰囲気で試合を進めることができました。

しかし4回裏になると再び大阪公立大学の打線が調子を取り戻し、4点を失ってしまいました。本吉に代わって入った藤田、そしてガンディーも好投を続けていましたが、試合の流れは簡単には覆りませんでした。この4回がこの試合全体を通して一番苦しい時間であったと思います。

試合開始からここまで苦しい時間を耐えて粘り、また選手交代で越智・松下が入ったことで試合が大きく動くことになりました。泉川・前田とヒットを打ち、盗塁含めてランナー二、三塁となったところで、畠山が左中間へのタイムリーツーベースヒットを打ち、2点を獲得しました。苦しい時間が一転、一橋大学の打線が打ち始めました。ここまで苦しい中でも粘り、懸命にピッチャーと戦ってきた賜物であったことが強く伝わってきました。我々應援部としてはこのような苦しい時間を耐えることに少しでも力を与えることができたのではないか、またそのような応援を行わなければならないと強く思いました。

5回裏、6回表とともに一橋大学の攻勢は続きました。守備ではヒットを打たれ、一時三塁まで進められてしまったものの、ピッチャーのガンディーが好投を続けたこと、一橋大学の守備陣がしっかり守りきったことで無失点に抑えることができました。また攻撃では神谷・桐生・泉川が出塁したり、盗塁を仕掛けたりなど積極的な戦いぶりを披露し、無得点ながら得点を感じさせる回となりました。

攻勢に出るも、三商大戦の特別ルールである時間制限やコールド制度により、最終回である7回にもう一点追加され、2−11で敗戦してしまいました。

しかし実際に試合を通して見てみると、一橋大学は得点差ほどの力の差はなかったと思いました。もちろん非常に悔しい敗戦ではありましたが、3年前に感じた両大学の差は確実に縮まっていました。来年度以降の三商大戦では、大阪公立大学を下してくれるのではないかと確信しております。

 

対神戸大学戦

一橋大学が表、神戸大学が裏で、約30分ほどの間を置いて神戸大学戦が行われました。一橋大学は2,3試合と連続で試合を行うことになり、また非常に暑く日差しも厳しい中での試合であったため、選手には相当な負荷がかかったと思います。

この試合では校歌・エール交換は行いませんでした。試合間が短かったことや神戸大学応援団総部の移動時間などを考慮し、行うことができませんでした。一方で両大学の応援部・応援団は試合開始前からそれぞれの熱い思いを前面に出してぶつかり合っていました。

試合は1回から白熱していました。一橋大学はデッドボールで出塁した山本が盗塁を成功させ、また本吉・五井と出塁して満塁としました。その後は連続して三振となってしまいましたが、先の大阪公立大学戦で感じた雪辱をここで晴らせると強く感じる回となりました。

しかし神戸大学も1戦目を勝利した勢いを持って試合に望んでいました。四球と送りバントで満塁とし、一橋大学は追い込まれました。しかしここはピッチャーの太田が見事な投球を行い、無事無失点に抑えることができました。試合全体を通して見た時、1回で失点をしなかったことはこの試合が非常に熱戦になることにつながったと思います。この1回から両者が満塁となる熱い試合が展開され、より一層応援に熱がこもるようになりました。

2回、3回表は試合が硬直することになりました。これは両大学の投手が好投を続けたからです。しかし3回裏、神戸大学が一瞬の隙をつき、一橋大学は1点を失いました。ここまでの均衡が崩れたことで一気に雰囲気が傾きかけてしまいましたが、太田はしっかり立て直してそれ以上の失点を重ねず回を締めくくりました。

4回表はヒットを打ち塁に出るものの、得点には結び付かず、逆に裏で神戸大学が2点を得ることになりました。太田に代わってピッチャーに入った斎藤は、序盤はなかなか調子を掴むことができず失点をすることになってしまいましたが、4回の終わりにはしっかり調子を戻して抑えることができました。この回で3点差になってしまいましたが、あまり力の差を感じてはいませんでした。むしろ大阪公立大学戦の悔しさもあり、より一層盛り上げようと応援に向かうことができました。

この直感は外れることはなく、5回表で一橋大学は一気に攻勢に出ます。川嶋・和田・本吉と連続で四球によりう出塁すると、五井・尾実が連続でヒットを打ち、一気に逆転。4点を返しました。この時は信じて応援を貫いたことに嬉しさを爆発させ、鼓手に入った私は手の皮が剥けるほど強く太鼓をたたいて喜んでいました。

裏では代わってピッチャーに入った佐川が好投を重ね、無失点に抑えることができました。ここから一気に一橋大学が流れを掴むことになります。

6回も無失点に抑え、7回表、デッドボールで和田が出塁したのち、ピンチヒッターの室と神谷が連続でヒットを打ち満塁としてまたしても得点のチャンスを作り出しました。そしてそのチャンスに五井がツーベースヒット、尾実が犠牲フライでこの回3点を獲得しました。苦しい時間もあった中で、爆発的な攻撃力を見せつけた打線により、一橋大学の関係者以外の観客も湧いていました。

7回裏を無失点に抑え、最終回となる8回を迎えました。

最終回となる8回は、これまでと一転して非常に苦しい展開となりました。2試合連続の試合で疲労が蓄積している中、ヒットと四球で失点を重ねてしまい、追いつかれてしまいました。我々應援部もこの展開をなんとか覆そうとして必死に声を出し、腕と体を動かして応援をしましたが、力及ばず、最終的にヒットを打たれてしまい、逆転されてしまいました。3年前、そして大阪公立大学戦の雪辱を晴らす絶好の機会でしたが、最後は力及ばずに敗戦となってしまい、非常に悔しい思いをすることになりました。

 

長くなってしまいましたが、これで硬式野球部三商大戦の応援記録を締めさせていただきます。

今年は3年ぶりに応援可能となった三商野球ではありましたが、結果としては非常に惜しいものとなってしまいました。我々應援部の力が及ばず、最後の苦しい時間帯を支えきれなかったことは、非常に実力不足を痛感するものでした。次回の三商大戦は来年度のことになりますが、3大学の応援部・応援団が揃い、その中で見事一橋大学が勝利することができるように邁進してまいります。

シーズンはまだまだ始まったばかりです。今後も、全ての試合で全身全霊をかけて応援していきたいと思います。

 

一橋大学体育会應援部 第六十七代主将 白子和哉