旧校歌「空高く」

空たかく光みなぎり 照り映えてさゆらぐ公孫樹
白雲の湧きたつところ そここそは輝く聖地
これぞこれわが母校懐しのふるさと
その名讃えてこゝに集ひつ その名さゝげて永久に変らじ
あゝ一ツ橋われらが母校

希望燃え生命あふるる 若人が赤誠き力に
建て築き継ぎ来し誇り そは高く輝く文化
これぞこれわが母校懐しのふるさと
その名讃えてこゝに集ひつ  その名守りて永久にたゆまじ
あゝ一ツ橋われらが母校

われ愛すいまぞ輝け 力充ち真溢るゝ
意気の児が栄ある行手 ヘルメスの導く学府
これぞこれわが母校懐しのふるさと
その名讃えてこゝに集ひつ その名かゝげて永久に進まん
あゝ一ツ橋われらが母校

酒井敬三郎作詩/山田耕筰作曲

解説

旧校歌「空高く」 昭和2年につくられた、旧校歌。作曲は現在の校歌と同じく山田耕筰氏で、作詞は酒井敬三郎氏である。 公募したのは「全一橋同人の歌である。商科大学学歌でもあり、一橋会会歌でもあり、又如水会会歌でもある」全一橋人の歌で、一橋会と如水会の連名で募集のよびかけが行われた。 その歌詞は去りゆく神田一ツ橋への惜別の歌であるが、それだけでなくその後の母校が伝統や文化を守りながらも発展していってほしいという願いが込められていることもわかる。 1931年の籠城事件でも愛唱され、創立75周年の昭和25年に「武蔵野深き」が生まれるまでは唯一の「一橋の歌」であった。